英語の文法には「習得できる順番」がある|自然習得順序説から考える子どもの英語教育
「進行形はすぐ使えるようになったのに、疑問文の作り方がなかなか定着しない」「何度練習しても、文の最後にsをつけるのを忘れてしまう」
お子さんの英語学習でこんな場面を目にしたことはないでしょうか。もしそう感じているなら、それはお子さんの努力が足りないわけでも、指導に問題があるわけでもありません。英語の文法項目には、人間の脳が習得しやすい順番があるというのが、第二言語習得研究の示す答えです。
自然習得順序説とは何か
1970年代から80年代にかけて、言語学者スティーヴン・クラッシェンは「自然習得順序説(Natural Order Hypothesis)」を提唱しました。これは、英語の文法項目は学習者の母国語や学習環境にかかわらず、ほぼ一定の順序で習得されていくという仮説です。
クラッシェンはロジャー・ブラウンらの先行研究をもとに、英語学習者のデータを幅広く分析しました。その結果、たとえば進行形の「-ing」は比較的早い段階で習得される一方、三人称単数現在形の「-s」や冠詞の「a/the」は習得に時間がかかる傾向が、さまざまな母国語を持つ学習者にわたって一貫して見られたのです。
「なぜあれだけ練習したのに定着しないのか」への答え
この仮説が示す重要な含意は、練習量だけでは習得順序は変わらないということです。
たとえば三人称単数現在形の「-s」(”She plays tennis.”など)は、英語教育の現場では比較的早い段階から導入されます。単純な形のように見えるからです。しかし自然習得順序の観点では、これは習得に時間がかかる項目の一つとされています。どれだけ反復練習をしても、脳がその規則を自然に内在化するタイミングには、ある程度の時間的な幅があります。
「練習させているのに使えない」という焦りは、習得順序への理解が足りないときに生まれます。逆に言えば、習得順序を理解していれば、「今この子が使えないのは順序通りで正常だ」と落ち着いて見ていられるようになります。
教科書の順番と脳の順番はずれている
ここに、日本の英語教育の構造的な問題があります。
学校の教科書や市販のテキストは、文法項目を「単純なものから複雑なもの」という見た目上の難易度で並べがちです。しかし脳が英語を習得する自然な順序と、教科書が教える順序は、必ずしも一致していません。
その結果、脳の準備ができていない段階で特定の文法を詰め込まれた子どもは、テストのためだけに一時的に覚えて、すぐ忘れるというサイクルを繰り返します。「勉強したはずなのに使えない」のは、このずれが原因であることが少なくありません。
習得順序説が示す正しいアプローチ
ではどうすればよいのでしょうか。クラッシェンが自然習得順序説とあわせて提唱したのが、「理解可能なインプット(comprehensible input)」の重要性です。今の実力より少し上のレベルの英語を、意味を理解しながら大量に聞いたり読んだりすることが、自然な習得順序を促進するという考え方です。
つまり、特定の文法項目を単独で取り出して反復練習させるよりも、意味のある文脈の中で英語をたくさんインプットする方が、脳の自然な習得プロセスに沿っているのです。歌・絵本・会話といった形で、英語が意味を持って耳や目に届く環境が、文法の自然な定着を助けます。
子供英会話家庭教師ビバイ(bebai)では、文法項目を単独で反復させる詰め込み型の指導ではなく、会話や教材を通じて意味のある英語に触れる時間を大切にしています。バイリンガル講師が一人ひとりの習得段階を見極め、今その子の脳が吸収できる内容を選びながらレッスンを進めるため、「何度やっても覚えない」という消耗するサイクルに陥りにくい指導が実現できます。
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