バイリンガルの子どもは「脳の使い方」が違う|研究から見える早期英語教育の意味

バイリンガルの子どもは「脳の使い方」が違う|研究から見える早期英語教育の意味

「英語を早くから学ばせることに、本当に意味はあるのか」

こうした疑問を持つ保護者の方は少なくありません。感覚的には「早いほどいい」と思いながらも、その根拠がよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

この問いに、神経科学と認知心理学の側面から答えを提示してきた研究者がいます。カナダ・ヨーク大学の心理学者、Ellen Bialystok(エレン・ビャリストク)です。彼女が40年以上にわたって積み重ねてきたバイリンガル認知研究は、「2言語を使うことが脳に何をもたらすか」を丁寧に解き明かしてきました。今回は、その研究エッセンスを保護者の方にもわかりやすくお伝えします。

バイリンガルの脳では、常に2言語が同時に動いている

まず、バイリンガルの脳で何が起きているかを理解する必要があります。

「日本語を使っているとき、英語は頭の中でオフになっている」と思われがちですが、神経科学的にはそうではありません。バイリンガルの人が日本語で話しているときも、英語の語彙や文法システムは脳内で同時に活性化し続けています。

つまり、バイリンガルの脳は常に「今使う言語を前に出しながら、もう一方の言語を抑制する」という作業を行い続けているのです。この継続的な制御プロセスこそが、バイリンガルの認知的特徴を生み出す源だとBialystokは論じています。

鍛えられる「実行機能」とは何か

2言語の管理を通じて発達するとされているのが、「実行機能(executive control)」と呼ばれる認知能力です。

実行機能とは、注意を向けるべき情報に集中しながら、不要な情報を無視する力です。具体的には、気が散る状況でも集中を保つ力、複数の情報の中から必要なものを素早く選び取る力、ルールが変わっても柔軟に対応できる力などが含まれます。

Bialystokの一連の研究では、バイリンガルの子どもたちがこの実行機能において、モノリンガル(一言語話者)の子どもたちよりも一貫して高いパフォーマンスを示すことが確認されています。その優位性は、言語とは無関係な非言語タスクでも現れることが特徴的で、「言語をたくさん知っているから言語課題に強い」ということではなく、脳の処理システム全体が変化していることを示しています。

また、この効果は生後1年未満の乳児から観察されており、早い時期からの2言語環境が脳の発達に関与している可能性が示唆されています。

子ども期だけでない、生涯にわたる効果

Bialystokの研究が特に注目された理由の一つは、バイリンガリズムの効果が子ども期にとどまらないことを示した点にあります。

高齢期の研究では、バイリンガルの人々がモノリンガルよりも認知機能の低下が緩やかであることが報告されています。これは「認知的予備力(cognitive reserve)」という概念で説明されており、2言語の継続的な管理が脳にとっての持続的な刺激となり、加齢に伴う機能低下に対する緩衝材として働くと考えられています。

Bialystokらの調査では、認知症と診断されたモノリンガル患者の平均診断年齢は75.4歳だったのに対し、バイリンガル患者では78.6歳と、症状の発症が約3〜4年遅かったことが報告されています。幼少期から築かれた2言語環境の効果が、数十年後の脳の健康にまでつながっているという点は、早期バイリンガル教育の意義を考えるうえで示唆的です。

「英語力」の前に育つもの

ここで一点、Bialystokの研究を読み解くうえで重要なことに触れておきたいと思います。

彼女が示したバイリンガルの認知的優位性は、「英語がうまくなること」そのものではなく、2言語を管理するプロセスを脳が経験し続けることから生まれます。つまり、重要なのは正確な発音や豊富な語彙よりも、「2つの言語体系に継続的にさらされ、その両方を使おうとする経験」の蓄積です。

このことは、幼少期の英語教育に対する見方を変えてくれます。完璧な英語を早く習得させることよりも、子どもが英語に親しみ、使おうとする経験を積み重ねていく環境をつくることに、より大きな意味があるのです。

個別指導だからこそ可能な、継続的な2言語環境

Bialystokの研究が示す知見をふまえると、子どもの英語学習において重要なのは「接触の質と継続性」です。しかし、グループ形式のレッスンでは、どうしても一人ひとりが英語を実際に使う時間が限られてしまいます。発言の機会が回ってくるまで待つ時間、他の子どものペースに合わせる時間——こうした構造的な制約が、2言語の管理経験の蓄積を妨げることがあります。

ビバイのマンツーマン指導では、レッスンの時間すべてがお子さんにとっての英語使用経験になります。わからない場面では日本語でフォローしながらも、基本的には英語でやり取りを進めることで、2言語を切り替えながら使うという経験を自然な形で積み重ねることができます。

「英語力を伸ばす」ことと「脳の力を育てる」こと。その両方が同時に起きていると考えると、早期からの英語教育の意味がより深く見えてくるのではないでしょうか。

ビバイの無料体験レッスンで、ぜひその第一歩を体験してみてください。


Y
ビバイについて、もう少し知りたい方へ

この記事でお伝えしたような考え方を大切にしながら、ビバイでは子どもの英会話を専門とする家庭教師サービスを提供しています。

「どんな講師が教えているの?」「どんなレッスンをするの?」という方は、まずサービス紹介ページをご覧いただければと思います。無料体験レッスンも随時受け付けています。

→ ビバイのサービスについて詳しく見る

無料体験レッスンのお申し込みはこちらから
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

03-4500-8170