子どもが英語を「自然に真似できる」のはなぜか|ミラーニューロンと言語習得の関係
「先生の発音をそっくりそのまま真似した」「気づいたら自然に口から出ていた」
英語を習い始めた子どもが見せるこうした場面には、脳科学的な裏付けがあります。鍵を握るのが、「ミラーニューロン」と呼ばれる神経細胞の働きです。
執筆者Yのプロフィール 幼少期をアメリカで過ごし、帰国後に日本語を習得したバイリンガル。大学で神経科学・発達心理学を専攻。言語習得の「なぜ」を科学的な視点から解説する記事を担当。「早期教育の根拠を、保護者にわかりやすく届けたい」という思いで執筆。
ミラーニューロンとは何か
ミラーニューロンは、1990年代にイタリアの神経科学者ジャコモ・リゾラッティらの研究チームが発見した神経細胞です。最大の特徴は、自分が行動するときだけでなく、他者が同じ行動をするのを観察したときにも活動するという点です。
たとえば、誰かがリンゴを掴む動作を見ているだけで、見ている側の脳内では「自分がリンゴを掴む」ときと同じ神経回路が反応します。鏡のように他者の行動を内側で映し取ることから、「ミラー(鏡)ニューロン」と名付けられました。
このミラーニューロンの働きが、言語習得、とりわけ発音の模倣において重要な役割を担っていると考えられています。
「見て覚える」は、脳科学的に正しい
子どもが言語を習得する過程で中心的な役割を担うのが、模倣です。大人の口の動き、舌の位置、息の使い方。こうした発音の細部を観察することで、子どもは自分の発声器官をどう動かすべきかを学んでいきます。
ミラーニューロンの観点からは、これは単なる「見て覚える」ではありません。他者の口の動きを観察した瞬間に、脳内では自分が同じ動きをするための神経回路がすでに準備状態に入っています。観察と実行が脳の中でつながっているからこそ、子どもは「聞いて、考えて、真似する」という手順を意識的に踏まなくても、自然に模倣へと向かうのです。
映像では届かない「顔」の情報
ここで重要になるのが、情報の質です。
発音を学ぶうえで、口の形・唇の動き・表情筋の動き・息の流れといった視覚情報は、音声そのものと同じくらい重要です。ミラーニューロンはこうした身体的な動作の観察に強く反応することがわかっています。
録音音声やアニメキャラクターの映像では、こうした生きた身体の動きが大幅に省略されます。実際に目の前で話す人間の顔を観察するとき、子どもの脳は声だけでなく、口の形・表情・息遣いを含めた多層的な情報を処理しており、その豊かさがミラーニューロンの活性化を高め、模倣の精度を上げると考えられます。
感情も「映る」ということ
ミラーニューロン研究のもう一つの重要な知見は、感情表現にも同様の仕組みが働くという点です。
他者の喜びや驚きの表情を見ると、観察者の脳内でも同様の感情回路が活性化する「感情伝染」の現象は、ミラーニューロンとの関連が指摘されています。英語で楽しそうに話す先生を目の前にした子どもの脳内では、英語を使うことへのポジティブな感情回路が同時に呼び起こされます。
逆に、無表情で機械的な発音練習を繰り返すだけの環境では、この感情的な共鳴が生まれにくく、英語そのものへの興味が育ちにくくなります。
「誰から学ぶか」が発音を決める
ミラーニューロン研究が示す結論の一つは、言語習得においてモデルとなる人物の質が重要だということです。
子どもの脳は、目の前にいる人の発音・表情・感情状態を丸ごと取り込もうとします。英語を楽しみながら豊かな表情で話す人物が目の前にいるとき、その全体像がミラーニューロンを通じて子どもの内側に刻まれていきます。
Y
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