赤ちゃんは「地球市民」?|音韻知覚の研究が教える0歳からの英語教育

赤ちゃんは「地球市民」?|音韻知覚の研究が教える0歳からの英語教育

「まだ0歳なのに英語なんて早すぎる」「まず日本語をしっかり覚えてから」

早期英語教育の話をすると、こうした声をよく聞きます。気持ちはとてもよくわかります。でも、音韻知覚の研究を知ると、この考え方が少し変わるかもしれません。赤ちゃんの脳は、私たちが思っている以上に、早い段階から音の世界に反応しています。

執筆者Rinaのプロフィール
幼児教育を専攻し、海外でのボランティア活動を経てビバイ講師に。乳幼児期からの英語習慣の作り方や、発達段階に応じた指導法を丁寧に解説する記事を担当。「習慣は、楽しさの積み重ね」という考えのもと、家庭でも実践できるヒントを届けている。

音韻知覚とは何か

「音韻知覚」とは、言語を構成する音(音素)を聞き分ける能力のことです。たとえば英語の「r」と「l」の区別、「b」と「v」の違いなどを正確に聞き取る力がこれにあたります。

日本語を母国語とする人がこうした英語の音を聞き分けるのが難しいのは、よく知られた事実です。しかし、これは生まれつきの限界ではありません。音韻知覚の研究は、そのことを科学的に示しています。

赤ちゃんは「地球市民」として生まれてくる

ワシントン大学のパトリシア・クール博士は、乳幼児の音韻知覚に関する一連の研究で、驚くべき事実を明らかにしました。

生後6ヶ月頃の赤ちゃんは、世界中のあらゆる言語の音を聞き分けられる状態にあります。日本語にない英語の音も、英語にないアラビア語の音も、この時期の赤ちゃんは正確に知覚できるのです。クール博士はこの状態を「地球市民(citizens of the world)」と表現しました。

ところが、生後6ヶ月から12ヶ月にかけて、赤ちゃんの音韻知覚には大きな変化が起きます。日常的に聞いている言語(母国語)の音への感度が高まる一方で、聞いていない言語の音への感度が急激に低下していくのです。これを「音韻知覚の母国語化(perceptual narrowing)」と呼びます。

1歳を迎える頃には、赤ちゃんは「地球市民」から「日本語の聞き手」へと変化しています。

聞かせないと、耳は閉じていく

この研究で重要なのは、音韻知覚の母国語化が「経験によって起きる」という点です。

赤ちゃんの脳は、繰り返し聞いた音のパターンを統計的に処理し、「よく聞く音」と「あまり聞かない音」を自動的に分類していきます。英語の音を日常的に聞いている環境にある赤ちゃんは、英語の音韻を維持しやすく、まったく聞かない環境では、その感度が自然に失われていきます。

注目すべきは、クール博士の研究で「録音や映像での英語音声には効果が見られなかった」という点です。人間との直接的なやり取りの中で聞いた音声だけが、音韻知覚の維持に効果的だったのです。CDや動画を流しておくだけでは不十分で、実際に人と関わりながら英語の音に触れることが重要だということを、この研究は示しています。

「話す」より先に「聞く耳」を作る

早期英語教育というと、「単語を覚えさせる」「フレーズを言わせる」というアウトプット中心のイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし音韻知覚の研究が示す優先事項は、まず「英語の音を正確に聞き分けられる耳を作ること」です。

正確に聞き取れない音は、正確に発音することができません。また、音韻知覚の精度は、その後の語彙習得や読み書き能力にも影響することが、複数の研究で示されています。幼少期に英語の音に豊かに触れることは、後の英語学習全体の土台を作る行為でもあるのです。

「まだ話せないから英語は早い」ではなく、「話す前だからこそ、耳を作る時期がある」という視点の転換が、音韻知覚の研究から得られる最も大切なメッセージかもしれません。


クール博士のTEDトーク

Youtube視聴はこちらから
クール博士のTEDトーク「The linguistic genius of babies(赤ちゃんの言語的天才性)」は、2011年に公開されて以来、世界中で視聴されている名講演です。

講演の中でクール博士は、東京とシアトルの赤ちゃんを比較した実験データや、アメリカの赤ちゃんに中国語を聞かせた実験など、具体的な研究成果を映像とグラフで紹介しています。「録音や映像では効果がなく、生身の人間との関わりだけが有効だった」という結果も、この動画の中で実際のデータとともに確認できます。

「自分の子の脳の中で、今まさにこれが起きているんだ」と感じながら見られる内容で、早期英語教育に迷っている保護者の方にとって、一つの大きな道標になるかもしれません。

英語の講演ですが、TEDのサイトで日本語字幕を選択できます。所要時間は約10分。お子さんが昼寝をしているちょっとした時間にでも、ぜひ一度ご覧ください。


子供英会話家庭教師ビバイ(bebai)が0歳からのサービスを提供しているのは、こうした音韻知覚の研究に基づいています。赤ちゃんの頃から、本物の人間とのやり取りの中で英語の音に触れること。それが、英語の聞き取りや発音の基礎を自然に築いていく最も効果的なアプローチだと考えています。

バイリンガル講師が直接関わるレッスンだからこそ、CDや映像では届かない「生きた音韻体験」をお子さんに届けることができます。0歳からの体験レッスン、ぜひ一度お試しください。


Rina


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